こんにちは! びるこです。
誰しも最初は失敗だらけ
ということで、今回は私のしくじり体験を書いていこうと思います。
出典:尾田栄一郎「ワンピース」より
私は超優秀大型新人として入職したわけではないので、色々やらかしてきました。
何度インシデントレポートを書いたことか。
軽めのものをサラッと紹介すると
- 胃全摘後の患者さんに胃の調子を聞いた
→患者さんの既往はしっかり調べてから指導に向かいましょう。
患者さんに言われた「は? 胃、ありませんけど」が忘れられません。
- 90日一包化のビソルボンを全てムコソルバンで調剤した
→焦ってる薬剤師あるあるの、薬効で判断して間違えるやつです。1日3回だったので270包。
監査で見つかって怒られました。
優しい同期が一緒に全部バラしてくれました。ごめんね、ダメな奴で私。
- 乳酸カルシウムの瓶に沈降炭酸カルシウムを補充して調剤した
→粉の充填はダブルチェックですが、焦りすぎで確認してくれた子も一緒にスルー。
監査で「なんか粉質違くない?」ってなって怒られました。
乳カルはサラサラ、沈カルはしっとり。
落ち着け自分。
などなど。
これくらいは、可愛いものです。
(だめですよ、調剤過誤は患者さんに渡ったら終わりですからね)
私が1番病院全体に迷惑をかけたのは
当直中に嘔吐して倒れた
ことです。
そんな奴いる? はい、私です。
私の病院では、私が第1号です。
私の病院は1人で当直をする体制だったので、その人が倒れるということは院内の全ての薬払い出し業務が停止することを意味します。
その日は日曜出勤からの当直だったので朝9時に出勤し日勤者と2人で17時半まで働き、そこから私1人で当直業務へ。
夜23時頃、なんだか気持ちわるいかも・・・と思い始めました。
仮眠室が用意されているので、とりあえず仮眠室へ移動。
電話で呼ばれない限りは仮眠が取れるので、寝ていれば治るだろうと思い横になりました。
でも、やっぱり気持ち悪い。
どう考えても普通じゃない気持ち悪さ。
やばいかも・・・と思っていたら深夜3時、電話で薬剤請求が来ました。
フラフラと調剤室へ向かいますが、もう立っていられない状態です。
あと少しで調剤室! という所で薬を取りに来た補助員さんが立っているのが見えました。
その瞬間、廊下で「オエ〜〜」となりトイレへ駆け込みながら噴射嘔吐!
完全にやってしまいました。
吐いたら少しスッキリしたので、補助員さんに心配されながらも請求されたソルアセトFを渡しました。
廊下とトイレにぶちまけてしまっているので、感染リスクも考え次亜塩素酸で消毒。(偉い)
処方もいくつか出ていたので仕事を片付けていたらピッチに救急部から電話がかかってきてしまい、
「吐いたことバレてますよ、救急センターに来なさい」 と。
そうだよね、薬剤師が吐いてるぞってバレたよね。
でも救急センターで治療を受けるには他の薬剤師に来てもらわないといけない。
そうこうしている間も処方は出続けているし電話もかかってくる。
緊急時のサポートメンバーなんて用意されてない。
そもそも朝の3時に電話して起きて駆けつけてくれる人いるかな?
電車動いてないし、近くに住んでる人・・・とか焦って考えてたらまた嘔気が・・
ということで、とりあえず1番優しいICT(感染対策の専門家)の先輩に
「吐きました」
と電話して薬剤部長への連絡や駆けつけてくれる人の手配をしてもらいました。
救急センターに出頭し、ソルアセトF点滴。(さっき自分で吐きながら払い出したやつ)
熱もあるので採血もする羽目に。
横になってたら、近くに住む先輩が到着して当直業務を代わってくれました。
ホッとしたら一気に体調が悪化して、その後は下痢と嘔吐の無限ループ。
完全に感染性腸炎だったのです。
前日に友人宅で食べた生モノが原因。
良い子の皆は、当直前に生モノ食べるのやめましょうね。
始発が動く頃に強制帰宅となり、その後何日か下痢してたので出勤停止になりました。
グルトパ(脳梗塞治療薬で投与は1分1秒を争う)とか緊急OPEの麻薬請求とか来てたら一貫の終わりだったし、本当にたくさんの人に迷惑をかけてしまいました。
猛省です。
1人当直で、その人が戦闘不能になった時って他の病院はどうしてるんでしょうか?
サブメンバーを用意するにも、家が近い人か車で来れる人に限定されてしまいます。
2人当直するには人手が足りなすぎるので出来ません。
良い案あれば教えてください。
今回は私のしくじり備忘録を公開しました。
ここに書けないくらいヤバい失敗もしていますが、笑えないので書きませんでした。
医療現場でのミスは最悪人の命を奪う可能性があります。
ミスは絶対に許されませんが、人間である以上ミスは起こります。
だから、ハインリッヒの法則があるのです。
(1つの重大事故の背景には、29の軽微な事故があり、その背景には300のヒヤリ・ハットが存在する)
反省することは大切ですが、反省しすぎると
「私が存在しない方が良いのでは」
という結論に行き着き、死にたくなります。
医療現場ではそのくらいの覚悟は必要ですが、失敗は必ず自分の力になります。
たくさん恥をかいて、生きていきましょう。
読んでいただきありがとうございました。