こんにちは! びるこです。
ブログ訪問ありがとうございます。
今日は〝ぶす〟について書いていこうと思います。
【広辞苑】ぶす(醜女) 容貌の醜い女
きりこについて
年末年始のお休みはのんびり読書と箱根駅伝で過ごしたいので、先日3冊本を買ってきました。
私は作家の西加奈子さんが大好きなので
- 「さくら」
- 「i」
- 「きりこについて」
この3冊を買いました。
きりこについては以前お勧めしていただいたことがあったので早速読了致しました。
ちなみに今まで西加奈子さんの本で読み終えたのは
大好きとか言っといてお前西さんのあの名作を読んでねぇのかよっ、てのがありましたらコメントで教えてください。
ぶす
「きりこは、ぶすである。」で始まるこの小説は、両親からたっぷりの愛情を注がれ可愛い可愛いと言われて育った〝きりこ〟の物語。
両親はきりこを可愛いと絶賛していますが、残念ながらきりこはぶすなのです。
誰が見てもぶすという、救いようのないぶすなのです。
きりこは自分がぶすなのだと気が付かずに成長していきますが、あることをきっかけに自分がぶすだと言うことに気がついてしまいます。
驚いてしまうのです、まさか自分がぶすだったとは!
世の中には、美人は許されても、ぶすが同じことをしたときに許されないという案件が多々存在します。
「ぶすのくせに」
ぶすが着てはいけない服があったり写真を撮るときにしてはいけないポーズがあるわけです。
私も両親から目一杯の愛情を受けて、可愛い可愛いと言われて育ったタチなので、初めて男の子から
「ダサい」「馬鹿みてぇ」
と言われた時は立ち直れませんでした。
あれは幼稚園に通っていた頃、セーラームーンが流行っていたので私はセーラームーンの洋服で公園に遊びに行ったのです。
一番左のうさぎちゃんが着ているやつです。
「セーラームーン」公式ホームページより
欲しい欲しいと親にねだって、やっと買ってもらった決して安くはないセーラームーンの洋服を初めて着て遊びに行った日に
「ダサい」「馬鹿みてぇ」
と言われてしまい、それ以来一度も着ることが出来なくなりました。笑
セーラームーン、使用回数1回でお蔵入りです。
可愛い可愛いと言われて育てられていると、まさか自分が馬鹿みたいな格好をしているなんて夢にも思わないものです。
よく考えたら美少女戦士セーラームーンなので、美少女しかセーラー戦士を目指してはいけなかったのかもしれません。
私は美少女ではありませんでしたので、馬鹿みたいに見えたのは紛れもない事実だと思いますが
「着たい服を着て遊んで何が悪いんじゃボケ引っこんどれクソガキが!」
と今では思います。
あ、違いました。
「月に変わって、お仕置きよ!」です。
ぶすだろうが美少女だろうが、着たい服を着て、やりたい事をするのは誰にも制限されるものではありません。本当は。
ルッキズム
他人から押し付けられる外見や属性へのイメージや差別は、今後も無くなることはないでしょう。
ルッキズムについて考えるきっかけを今回この本から貰いました。
ルッキズム(英: Lookism)とは、「外見にもとづく差別」であり、特に「身体的に魅力的でないと考えられる人々を差別的に扱うこと」を指す。外見至上主義という呼称もほぼ同義として扱われる。
引用:Wikipedia
自分も容れ物に囚われてしまうこともあるし、自分は自分なのだと言い聞かせていないと立っていられない時もあると思います。
ぶすってなんだろう、そもそも美しさの定義は人それぞれであるしぶすと美人の境界線なんて引くことはできないものです。
着たい服を着て、やりたいことをして、堂々としている人が1番カッコいいし美しいんだよ、と小さい頃セーラームーンの服を着て公園に行った私に伝えてあげたいなと思いました。
引用:角川文庫ホームページ
外見に基づく差別により精神的に壊れてしまったり、外に出ることが出来なくなる人も多く存在すると思います。
自分がぶすだと気がついてしまったきりこは、それでもしっかりと自分の生きる道を見つけていきます。
「あなたはあなただ」
と背中を押してもらいたい時にまた読み返したいなと思う本でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。