こんにちは! びるこです。
ブログ訪問ありがとうございます。
前回のブログでは、マラソン大会での心停止リスクと心肺蘇生法を学ぶ大切さを書きました。
今回は、女性が悩む月経問題について書きます。
月経異常はちょっとしたことで起こる
私は元々月経周期がやや不安定で月経痛もひどく、10代の頃はロキソニンが手放せませんでした。
薬学部時代には、勉強に追い込まれすぎたり、色々あってメンタルがプチ故障をして体重が40kgを下回ってしまったこともあります。
155cmなので、30kg台はちょっと痩せすぎです。
そんな事をしていたら、ついに月経が止まりました。
月経発来に必要な体脂肪率は17%以上
焦った私は婦人科へ行き、排卵誘発剤や漢方を使用し体重も戻して無事に月経が再開しました。
フルマラソン後に不正出血した話
ランニングとトレーニングをしっかりするようになってからは、月経周期はばっちりで月経痛もなくなり筋肉って大抵のことを解決するなー と思いました。
薬に頼り続けるのではなく、まずは根本的な原因が何かを考え対応することも大切です。
今の体組成はこんな感じです。
体内年齢20才がポイントです。
32才の私が見るたびにニヤニヤしてしまう数字はこの「20」です。笑
今はこのような仕上がりで体の調子は良いので、自分が1番健康で居られる体組成を知っておくことは大切です。
しかし! 一昨年は少し悲しい思いをしました。
一昨年、前回のブログに書いたようにフルマラソンに挑戦したのですが、私にとってフルマラソンは健康をもたらすスポーツではありませんでした。
フルマラソンを完走した結果
- 1回目の挑戦の後、月経が2ヶ月止まった
- 2回目の挑戦の後、大量の不正出血
月経異常を救ってくれたランニングにより、また月経に悪影響を及ぼすという悲しい結末です。
婦人科受診したところ器質的異常は認められずホルモン異常だろうと診断を受け、2度ともすぐに正常に戻ったのでよほどフルマラソンの身体的ストレスが強かったのだろうと思います。
女性アスリートの月経問題を考える
自分のホルモン異常に直面したことで気になったのは、女性アスリートの健康問題です。
女子アスリートの三主徴
「視床下部性」というのがポイントですね。
私ごときでも、一度や二度のフルマラソンで視床下部が生命危機を判断して生殖活動を停止させたのです。
アスリートのみなさんの視床下部は常に危険を察知していることは容易に想像できますので、ホルモン異常が起こるのは必然です。
※今でも大事に使っている国試対策 青本「生物」より
視床下部は多くのホルモンの司令塔!
エネルギー不足による、体の非常事態サインにより月経異常となり、エストロゲン低下で骨密度低下という負のスパイラルです。
低用量ピルを味方につける
ピルとは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の配合剤です。
避妊薬の適応だけではなく、月経困難症や子宮内膜症の治療にも使用されます。
副作用の血栓や嘔気の原因となるエストロゲンを従来よりも低用量にし改良したことで、低用量ピルと呼ばれています。
エストロゲンをさらに減らした超低用量ピルもあり、120日まで継続内服が可能になっています。
欧米ではトップアスリートの低用量ピルの使用率は83%にも達する:2008年
(Rechichi et al., International Journal of Sports Physiology and Performance, 2009より引用)
日本人オリンピック出場選手における使用率は2016年で27.4%
(Health Management for Female Athletes Ver.2, JISS(国立科学スポーツセンター))
日本で低用量ピルが認可を受けたのは1999年。
欧米より約40年も遅れての承認です。
アフターピルもそうでしたが、認可が遅い…
最近は月経問題について声を上げるトップアスリートの方もいるので徐々に身近なものになっていると思いますが、まだまだ浸透していないような印象を受けます。
薬剤師として発信したいことは
低用量ピルは正しく使うことで女性の味方になってくれる
ということです。
これだけでも月経異常や貧血、疲労骨折に悩むアスリートにとっては助けになると思います。
そして、何よりドーピング違反では無い!
私は排卵誘発剤のクロミフェンを内服したことがありますが、ドーピング違反です。
漢方の中にもドーピング違反のものがあります。
※ドーピング禁止表は年1回更新されますので、最新情報の確認は必須です
私はスポーツファーマシストの資格を保有していますが、薬剤師でもドーピング規定を暗記するのは困難ですのでGlobal DROを用いて確認するのが安全です。
まとめ
自分に合った強度の運動をする。
過度な運動は健康から遠のく。
「生理が止まったらアスリートとして一人前」
なんて暴言を吐いた指導者がいたと言う記事を読んだことがありますが、そんな人は指導者失格。
月経異常は誰にでも起こり得ること。
医療を頼って良い問題。
最後まで読んでいただきありがとうございました。