びるこブログ

ビールが大好きな病院薬剤師(育休中)

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お豆腐メンタルとの付き合い方

こんにちは! びるこです。

ブログ訪問ありがとうございます。

 

今日はお豆腐メンタルの話をしようと思います。

ぐでたまの仲間に「たまごどうふ」という子がいて、精神が弱くすぐに傷つくキャラクターで可愛いです。

豆腐のように崩れやすいメンタルのことをお豆腐メンタルと言います。

 

 

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ぐでたま



OPP(おなかピーピー)薬剤師

私は、生粋のお腹弱い系薬剤師です。

乳糖不耐症なので牛乳飲んだら一発アウトですし、乳糖に触れなくても何らかの要因でお腹を下してしまうことが多々あります。

 

就職してすぐの頃、当直明けの差し入れがラテ系の飲み物ばかりで苦しんだ時期があります。

先輩達からの差し入れに、「乳糖不耐症だから飲めません」と言い出せず黙ってもらい続けた苦い経験です。

※早めの申告がおすすめです、女子はみんなカフェラテが好きだと思われがちです

 

学生の頃からずっとお腹緩いキャラなので、トイレに駆け込んでてもネタになるだけで悩んだことはなかったのですが、昨年完全にこのお腹に悩まされる事件が起きました。

 

3週間続いた激しい下痢

昨年の3月、私のお腹が壊れました。

最初は、「いつものちょっと緩いやつ」と思っていたのですが、あまりにも頻度が多くなってきて、異常な水様便が1日5〜10回続いていたのです。

感染性腸炎であればそろそろ治るだろうと思っていた時期もとっくに通りすぎ、絶食しても止まらず、1週間たったところで病院に行きました。

 

そのクリニックの先生は診察もほどほどに整腸剤と抗菌薬を出しておきますねーと言ったのです。

(薬剤師は、検査もせずにやたらと抗菌薬を出す医師を少し疑ってしまいます)

 

感染性腸炎であれば、ウイルス性であれ細菌性であれ水分補給だけで良いというのは基本スタンスかと思います。

 

例外的に抗菌薬を処方すべき症例は米国感染症学会のガイドラインでは

  • 血圧低下・悪寒戦慄などの菌血症が疑われる場合
  • 重度の下痢による脱水やショックがある場合
  • 免疫抑制状態の患者
  • 50歳以上
  • 人工血管・弁・人工関節がある場合

とされているようです。

 

どれにも当てはまらないし、熱や血便がないので潰瘍性大腸炎クローン病も考えにくい。

もうメンタル崩壊でした。

 

ほっとけば止まるだろうという思いも腸には伝わらず、その後も10日以上激しい下痢に苦しみました

腹痛で夜目が覚めてしまったり、仕事中もトイレに行かなければならず流石に辛過ぎて私のお豆腐メンタルはもうぐちゃぐちゃでした。

 

絶対に止めてみせる!

仕事に支障を来たし出したので、自分の病院の近くにある近所でも評判という胃腸内科に行ってみました。

先生に症状を伝えたところ

「絶対に止めてみせる!」

と言ってくれたのです。 なんだか面白い先生。 

見た目もころんとしてて可愛らしかったです。

 

結果処方されたのは

という、もうこれだけ飲めば絶対止まるでしょうという3点セット。笑

「いや、先生どんだけー」 と思いながらも大人しく服用。

 

結果、下痢止まりました! 歓喜

その頃から何故か蕁麻疹が止まらなくなり、下痢が治ったあたりから1週間程度蕁麻疹に苦しみ、蕁麻疹が治ったとき私の戦いは終焉を迎えたのです。

 

過敏性腸症候群だったのかもしれない

結局、なんで下痢してたの? って話なのですが、イリボーが聞いたのであれば過敏性腸症候群IBS)の可能性が高いと思っています。

 

IBSは腸に器質的異常が認められず、腹痛あるいは腹部不快感とそれに関連する便通異常が慢性もしくは再発性に持続する状態と定義されます。

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IBSガイドラインより

 

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IBSガイドラインより

要するに、原因はハッキリ分かっていないのだけど腸自体や採血結果に異常があるわけではなく、下痢や便秘を繰り返す症状ということです。

  • 女性の有病率が高い
  • 加齢とともに減少
  • 収入の高さも有病率を高める
  • うつや不安などの心理的異常が関与

 

IBSのことは知っていましたが、IBSだけは違うだろうとたかを括っていたのです。

だって、何にもストレスを感じていなかったから。

仕事は大好きだし、家庭は円満だし・・・

 

でも今思うと、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった時期だったので潜在的にストレスを感じていたのかもしれません。

確かに、医療の常識と、政府の感染対策や一般の人たちの感染対策意識に大きなズレや違和感を覚えていました。

 

それが原因なのか調べようがないですが、自分では気が付かないストレスに体が悲鳴を上げるというのはありえない話ではありません。

最後蕁麻疹も出ていますし、ストレスが原因と思った方が説明がつきます。

 

患者と医師の関係は治療に有効か?

ガイドラインの中に

患者ー医師関係を良好にしておけば、プラセボであっても治療効果がみられる

という文言があります。

 

私も2箇所目の病院の先生の

「絶対に止めてみせる!」という何だか面白いフレーズに安心したことが結果奏功したのだろうと思います。

 

プラセボであっても効果が得られるというのは、精神障害でよくみられる現象で一見非科学的なようにも思えますが、脳科学で解明できない精神障害はまだまだ存在します。

 

医療従事者からすると、全て科学的に説明できたほうが治療はサクサク進むので助かりますが、人間の仕組みはそんなに単純ではないと自分の体に起こった異常で改めて考えさせられました。

 

前回のブログに登場した岸田直樹先生の「感染症コンサルテーション」に

大切なのはきれいな治療ではなく

「泥臭くてもよいから治す」ことだと考えましょう。

 という一文があります。

素敵な言葉です。

 

患者さんが困っていることを、とにかく取り除く。

そのために必要なのが信頼のおける医師なのであれば、使うのはプラセボでも問題ないわけです。

 

まとめ

  • 自分は大丈夫だと思っている人ほど、お豆腐メンタルだったりする
  • 止まらない下痢は、体のSOS
  • 重篤な疾患が潜んでいる可能性もあるので、まずは受診を

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

30代のクズを救う記事はこちらです。

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