こんにちは! びるこです。
ブログ訪問ありがとうございます。
思春期の淡い思い出は誰しもいくつか持っていると思いますが、今日は高校時代の苦い体験を書きたいと思います。
教室を変な空気にしてしまった私
保健体育の授業で〝生徒が2名ペアとなり自分たちでテーマを決めて授業をする〟という課題がありました。
準備期間が与えられて、授業の待ち時間は10〜20分くらいだったか…ちょっと忘れましたが、そんな感じのことをやりました。
私が選んだテーマは
「HIVとコンドーム」
随分踏み込んだテーマを選んだなと我ながら驚きますが、お年頃の小娘が果敢に挑んだところは評価できます。
性教育の分野に手を出したのは私たちのペアだけで、他のみんなは捻挫した時のテーピングの方法とか健康的な食生活などをテーマにしていました。
いざ本番となりHIVの歴史や世界での感染状況を説明して、予防方法としてコンドームを紹介し、その使用方法をクイズ形式で出しました。
クイズを解答するよう指名された男子生徒の苦笑いが響き、教室の空気は和気あいあいどころか、なんとも言えない雰囲気に。泣ける。
辛い空気を乗り越え、なんとか授業を終えました。
あんまり記憶に残っていないので、脳内から抹消されたのだと思います。
今の知識と度胸をもってすれば素晴らしい授業ができたかもしれないと思っています。
当時は性感染症の知識も取ってつけたようなものでしたし、コンドームの重要性を堂々と説明できるほど肝が据わっていませんでした。
ようするに、完敗でした。
日本の性教育とは
ユネスコの「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では性教育の開始は5歳から設定されており、15歳までに避妊具の使い方や性行為の断り方を理解することが目標になっているようです。
私の時代の性教育は、具体的な避妊方法や性感染症のリスクまでは習わなかった気がします。
習ったのかもしれませんが、印象に残っていません。
以前も緊急避妊薬の話を書きましたが
「知らないのは愚か、知らせないのは罪」
というのが性にまつわるあらゆる被害を防ぐための鉄則です。
高校時代の私は日本の性教育を変えてやる! という決意で授業のテーマを選んだわけではありませんが、良いテーマだったと思います。
敗因は、HIVというテーマが大き過ぎたこと、コンドームの話をするときに恥ずかしがってしまったことです。
HIVについて学ぶ
ガイドライン
抗HIV治療ガイドラインは毎年更新されていて、ネット上で全て読むことができます。
まず高校時代の私はこのガイドラインを読破してから授業に臨むべきだったのです。
そうしたら、HIVを10分やそこらでまとめようなんて無謀なことはしようとしなかったのでは・・・と思うけれど、きっとそうゆう挑戦を先生は見守りたかったのだと思います。
たぶん。
AIDSは不治の病ではありません。
しかし現在もHIV感染者数がいなくなることはありません。
抗レトロウイルス療法(ART)が確立されていますが、HIVは寿命の長い細胞に潜伏するため駆逐はできないのが現状で、感染者は事実上生涯にわたる服薬が必要となります。
予防法
HIVに限らず、梅毒やクラミジア、淋病などの性感染症を防ぐためにはコンドームの適切な使用が大切なのは言うまでもありません。
性感染症で入院治療が必要になることもありますし、若年層で感染が広がっているのを見かけたりすると正しい知識をもつ必要があると感じます。
HIVにおいては海外で暴露前予防内服が承認されています。
私はこの暴露前予防内服の方法を、患者さんから教えてもらうまで知りませんでした。
PrEPは米国など世界40か国以上で承認され、世界保健機関(WHO)も2015年に「全てのHIV感染ハイリスク群にPrEPの選択肢が提供されるべき」との考えを示している。
熊本大・松下教授 HIV未感染ハイリスク者への抗HIV薬予防投与「早く導入して」 | ニュース | ミクスOnline
暴露後予防内服「PEP」(Post Exposure Prophylaxis)
※72時間以内に服用する必要あり
暴露前予防内服「PrEP」(Pre‐Exposure Prophylaxis)
日本では未承認であり公的医療保険は適用されませんが、自費受診可能なクリニックは調べるとたくさん出てきます。
HIV治療にも使う「ツルバダ」と「デシコビ」という薬をPrEPでも使用しますが、HIV治療薬は高価なため、個人輸入で海外のジェネリック薬を購入する人も多いようです。
個人輸入はリスクも伴うため医療機関で相談することが推奨されています。
まだまだ知らないことがたくさんあると思い知りましたし、目に見えている世界だけが全てではないと反省もしました。
嫌な顔をせずにPrEPについて教えてくれた患者さんには本当に感謝しています。
私たちが想像しているよりも身近なところに性感染症のリスクはあることを認識して、情報を得ていかないといけないなと感じました。
まとめ
- 性教育は必要不可欠
- 「知らなかったから助からなかった」がなくなりますように
- 「知らなかったから間に合わなかった」がなくなりますように
最後まで読んでいただきありがとうございました。