こんにちは! びるこです。
ブログ訪問ありがとうございます。
前回のブログで夫のコロナ禍失業について書きました。
夫婦は違う船の船長同士で海賊同盟を組んでいると書きましたが、沈むかもしれない船に乗っている気持ちは乗っている人にしか分からないものです。
夫婦といえど結局は他人です。
大事なことは、エンパシー!!
エンパシー(empathy)とは
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディみかこ著 の中でエンパシーとは
自分で誰かの靴を履いてみること
と11歳の子供が言うシーンが書かれていました。
え、人生何回目? って思いました。
そもそも、11歳の子供の期末試験に「エンパシーとは何か?」と言う問題が出るという...答えられる気がしません。
シンパシーは感情的状態
エンパシーは知的作業
シンパシーのほうはかわいそうな立場の人や問題を抱えた人、自分と似たような意見を持っている人々に対して人間が抱く感情のことだから、自分で努力しなくとも自然に出て来る。
だが、エンパシーは違う。
自分と違う理念や信念を持つ人や、別にかわいそうだとは思えない立場の人々が何を考えているのだろうと想像する力のことだ。
ここの文章がこの本の中で最も印象に残りました。
多様性の時代、自分がその人の立場だったらどうだろうと想像することが重要と言うことです。
前にもドラえもんの名言
「どっちも自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ。」
を紹介しましたが、ここで使用した方が良い能力がエンパシーです。
それでもぶつかっちゃうから、人は人! と割り切る必要もあります。
その人の靴を一回だけでも履いてみるってことが大切です。
※本編が特設サイトで読めるようになってます!
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ 特設サイト | 新潮社
夫の靴を履いてみる
夫とは出会ってから来年で10年になります。
出会った頃はまだアスリートとしてオリンピック出場の夢を追っていたのですが、企業に所属していなかったのでバイトで生計を立てながら競技を続けていました。
ドリーム貧乏ってやつです。笑
陸上で稼げる人って本当にひと握りです。
しかも、それも有限です。
どんな超人でも一生競技を続けることは不可能ですから、競技で稼げる期間は非常に短い。
アスリートの価値によってお給料が決まるとしたら、価値って何で決まるんでしょうね。
勝利だけが価値だと言われたら、陸上界は苦しい人だらけの世界になってしまいます。
話が逸れましたが、とにかく私には到底理解できない世界でした。
しかし10年も横で見ていれば、エンパシーを使わなくとも理解できるようになりました。
靴履きっぱなし状態です。笑
夫は普段全く泣かないのですが、アニメでこのシーンを見ていた時に泣いていました。
主人公の零君は人生を賭けて将棋の世界に挑んでいますが、同じ世界に居るのに勉強します不足で投げやりな将棋をさした棋士を許せなかった、というシーンです。
夫も短いアスリート人生、全力で賭けていたものがとても大きかったのだと思います。
一緒になってこのシーンで泣いていた私は、その時も夫の靴履きっぱなし状態です。笑
どんな状況でもエンパシーを持つ
3年以上前、病院で忘れられない患者さんに出会ったことがあります。
70代の卵巣癌治療の患者さんを担当していた時のことです。
彼女は造影剤や抗がん剤へのアレルギーが強く出るため、抗がん剤治療は外来ではなく入院で行っていました。
今回の入院で治療が奏功するかも分からない。
またアレルギーが出てショック状態になるかもしれない。
通常であれば余裕がなくなる状況ですし、短期間しか担当しない薬剤師の顔なんて覚えてもらえないこともほとんどなのですが、何度か私が担当したこともあり名前を覚えてもらっていました。
何度目かの入院の際に、私は結婚して苗字が変わりました。
そのことに気がついた彼女は自分のことのように結婚を喜んでくださって、次の日に手紙をくれたのです。
そこには簡単に作れるグラタンのレシピが書いてありました。
「新婚の時は、料理は手を抜くのよ」
「大変なことが多いから、手抜きは大事よ」 と笑ってくれたのです。
すごい人だと思いました。
自分だったら、死が迫っている時に他人の結婚を祝福することが出来るだろうか。
自分のことでいっぱいいっぱいにならないだろうか。
彼女は私の靴を履いて、新婚で困ることは何か考えてくれたのです。
もうその患者さんはこの世に居ないかもしれませんが、手紙は大切に取ってあります。
彼女のようにどんな時でも余裕をもって、他人を思いやれる人でいたい! と言うのが私の目標です。
なかなか難しいのですけどね。
まとめ
シンパシーは感情だけど、エンパシーは能力。
誰にでも備わっているものではないため、手に入れる心構えが大切。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
夫の失業の記事はこちらです。