びるこブログ

ビールが大好きな病院薬剤師(育休中)

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悪いのはアルコールか自分か。

こんにちは! びるこです。

ブログ訪問ありがとうございます。

 

私は中田敦彦さんのYouTubeが好きなのですが、先日のテーマが「お酒をやめる」でした。

あっちゃん、お酒やめるらしい!

 

ビールを愛する病院薬剤師と名乗っている私としては見逃せないテーマだと思い、同じテーマで書きたいと思います。

 

アルコールを悪く言うのは、友達の悪口を言うようで非常に心苦しいですが、大切なのは悪い奴と理解した上でどう付き合うかです。

 

 

 

アルコールは薬品

YouTubeで紹介された本を私も読んでみました。

東京アルコール医療総合センターのセンター長 垣渕洋一先生の本です。

「そろそろ、お酒やめようかなと思ったときに読む本」

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この本は、アルコール依存症患者を大勢診てきた医師による、アルコールをやめた方が良い状況にある人向けの本です。

 

まず書かれていることは、アルコールは薬品だということです。

薬学部でも勉強しますし、代謝の要であるアルデヒド脱水素酵素の活性を調べるような実習も授業でありました。

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アサヒビールHPより】

 

日本人は欧米人に比べてアルデヒド脱水素酵素の活性が低い人が多く、50%の人は欠損していて所謂お酒が弱い人に分類されます。

アセトアルデヒドは曲者なので、二日酔いの原因になったり発がん性まである忌々しいやつです。

 

薬物動態の授業で習うADMEの中でも代謝は重要です。

  • 吸収(Absorption)
  • 分布(Distribution)
  • 代謝(Metabolism)
  • 排泄(Excretion)

病院でも肝機能や腎機能を見て、薬の量を調節するのはよくあります。

お酒も薬品なので、代謝酵素がもともと欠損している人や肝機能・腎機能などに異常が指摘されている人は減酒や禁酒をする必要があります。

 

お酒控えましょうね〜なんて病院でよく言われてしまうわけですが、本当に大変なことになりますよ! という啓蒙ですので注意されたら素直に聞いた方が良いです。

「俺から楽しみを奪うのかい先生」なんて言ってちゃ〜お酒に人生の楽しみを全て奪われる日も遠くないのです。

 

依存性は薬物以上

お酒は短期的には脳に対する「万能の向精神薬」のように働きます。

飲むと“ハイ”になるのは、脳内で生み出されるドーパミンセロトニンなどの「気持ちよくなる物質」の薬理作用です。

これだけ読むと「お酒最高!」と言っていたくなりますが、怖いのはここからです。

 

連日多量飲酒を繰り返すことで、精神的にも身体的にもアルコールに依存してしまい、さらに耐性もあるためどんどん飲む量が増えるリスクがあります。

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薬理学の教科書を引っ張り出しました(笑)

やばさでいえば大麻よりやばいです。

大麻に関しては、難治性のてんかん治療薬の幅を広げるために大麻取締法の見直しが検討されていますし、アルコールの方が立場的には危ういと言えます。

 

ギリギリ合法の薬物! とYouTubeでも言われちゃってました。

 

自分の意志とは無関係に、やめたくてもやめられない依存状態に誰しもなり得るということを理解して飲まなければいけないということが分かります。

 

日本のアルコール依存症は100万人ですが、アルコール依存症予備軍はおよそ900万人、生活習慣病のリスクを高める飲酒者だけでも1000万人といわれています。

  • 周りから「もう飲むのやめたら?」と言われた時に止められるかどうかがカギです。(私はたまに言うこと聞かずに飲み続けて夫から白い目で見られることがあります)
  • 仕事に支障が出だしたら、危険信号です。(一度だけ、飲み会の翌日寝坊して仕事遅刻したことがあります)
  • アルコールとうつ病には深い関係があることも分かっていますので、何かから逃げるためにアルコールを利用するのは危険だといえます。(お酒は何も救ってくれません、奈落に連れ込まれるだけです)

禁煙の次は禁酒が常識になる

2010年、WHO総会で「アルコールの有害使用を低減するための世界戦略」が承認されています。

たばこの次はアルコール対策だ! となっているわけです。

 

アルコールによる健康被害やアルコール依存患者による暴力など問題は多岐に渡りますし、精神的に一瞬良い気持ちになれたとしても肉体的なメリットはゼロと警鐘が鳴らされています。

 

お酒を楽しめなくなる世の中が来てしまうかもしれないということに私は怯えています。

 

悪いのはアルコールか? 人間か?

私はお酒が楽しめなくなる世の中が来るのは嫌です。

 

名前もビール大好き「びるこ」です。

 

愛は強めですが、依存しているわけではありません。

 

レーニングをした日は飲まないと決めていますが、それは筋肉を守るためです。

レーニング後のアルコール摂取で筋肉の合成率が下がることが研究で分かっているので、自分の努力を無駄にしないために飲みません。

 

「お酒よりも優先したいものがある」というのは大切な事だと思います。

 

また、毎日は飲まないということを自分のルールとして決めています。

以前は飲むならロング缶派でしたが、最近は350ml缶を1本と決めています。

 

アルコール依存症に治癒はない

グレーゾーンを超えていったん依存症という病に進行すると、それ以降は「ほどほどに飲んでお酒を楽しむ能力」を取り戻すことは極めて困難です。

依存状態になったら、「普通」に戻るためには一生お酒とさよならするしか選択肢は無いのです。

 

そうならないための適切な飲酒量は

  • 男性 1日アルコール量として20gまで(難しければ40g以下)
  • 女性 1日アルコール量として10gまで(難しければ20g以下)

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SUNTORY HPより

 

麻薬しかり大麻しかりアルコールしかりですが、そのものが悪いというよりは、結局は使う側の理解度の問題です。

どうすればお酒と一生さよならなんて悲しい結末を迎えずに付き合っていけるかを考えなければいけないと思います。

 

私はさよならしたくない!

だから筋トレも頑張るし、飲む量も調節します!

まとめ

  • アルコールは薬品
  • 誰しもが依存症に陥るリスクがある
  • アルコールが排除される世の中にならないように、飲み続けたい人ほど自制して健康維持に励むべし

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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