こんにちは! びるこです。
ブログ訪問ありがとうございます。
今日は、医療現場で大切な「面白く伝える力」について書きたいと思います。
医療現場でも「笑い」の力は偉大です。
私は両親共に〝笑いの聖地〟関西出身のサラブレッドなのですが、残念なことに関西弁が話せません。
伝わらないことのリスク
学生の頃、病院実習中に指導担当の薬剤師さんが言っていた言葉で一番印象に残っているのが
「伝わってなければ、何も言ってないのと同じ」
という言葉です。
そりゃそうだよね、という言葉ですが医療現場ではそれが生命に関わるリスクになります。
- 医療従事者間の指示受け
- 患者さんへの指導
この2パターンですが、両方とも
「私はちゃんと伝えました!」
なんて言い訳は通用しないのですよね。
医療従事者間での伝達ミスで、100倍量の薬が投与されてしまったり、点滴の投与速度が10倍速になるなどの危険な医療事故が起こってしまうことは事実あります。
患者さんに対しても、こちらはしっかり伝えたと思っていても伝わってないことがよくあります。
以前も書きましたが、自分の常識は他人には通用しないものです。
服薬が必ず必要な状態なのに中断してしまい、急変して緊急入院なんてことを経験すると患者さんの理解度に合わせた指導が出来ていなかったのだと猛省します。
伝えただけではダメ、伝わったと確認するまでが仕事というわけです。
本当にできる人は誰にでも分かるように、分かりやすく伝える。
恋愛だって、夫婦間だって
「俺の気持ち、伝わってると思ってた」
「愛してるって、言わなくても分かるだろ」
なんて言っちゃってる男はまだまだです。
できる男は分かりやすく愛を伝える、が鉄則です。
伝える側の工夫
患者さんへの指導では「笑い」を取り入れることも大切だと思っていて、面白い芸人さんのネタとか面白い先生の授業って一度聞いただけで忘れなかったりしますし、興味がわくから質問もしやすくなると思います。
ネタをどんどん披露すると言うことではなく、この人面白いな、話しやすいなと思ってもらうことが大切だと思っています。
最近、長野県にある諏訪中央病院の玉井道裕先生が作成した
「新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書」の存在を知りました。
(1年以上前から作成されていたのに、知りませんでした。)
玉井先生が全て手書きでイラストもつけて、ウイルスの特性や感染で気をつけること、ワクチンのこと、変異株のことまで細かく説明してくれているものです。
これがとっても面白いのです!
可愛い!
先生の文字も、味があって素敵です。
くらえ! 免疫細胞パーンチ!
先生の絵心が最高です。
もやしもんを彷彿とさせる可愛いイラストです。
私の病院でも、みんなで読ませてもらいました。
商用利用でなければ、個人でお役立てくださいと下に貼ったホームページに公開してくれていますので読んだことのない方は見てみてください。
※署者の許可なくテレビ・ラジオ等メディアでの紹介はご遠慮くださいとのことです
新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書 – 諏訪中央病院
結局新型コロナウイルスってなんなの? と理解を深める良いきっかけになると思います。
多忙な中、全て手書きという先生の熱意に感動しました。
伝わらなければ意味がない。
不安を煽るだけでは意味がないのです。
ユーモアを大切に
資料を作ってくださった玉井先生がどんな方かは存じ上げませんが、パソコンで打ち込めばすぐに終わるであろう作業を全て手書きにしたのは、楽しく読んでもらいたいからではないかと思いました。
愛嬌のある文字と可愛いキャラクター達に思わずクスッとしながら読めてしまいます。
こんな時だからこそ、面白く伝える力は大切です。
不謹慎になってしまう場合を除けば、医療のことも面白おかしく伝えた方が患者さんにも伝わりやすいだろうなと思います。
終末期医療やがん治療でも「笑い」の力は免疫やQOLに良い影響をもたらすことが分かっていますし、笑ってなんぼの人生ですから楽しく治療に向き合えるよう医療従事者もユーモアを磨かなければならないと思います。
私も新人の頃は「冗談なんか言って患者さんを傷つけたらいけない!」とガチガチになって服薬指導していた時期もありましたが 、患者さんもガチガチになっちゃって話は盛り上がらないし質問もされないしで良いことありませんでした。
楽しくお話する感覚で服薬指導することも大切だなと最近は感じています。
まとめ
- いかなる時もユーモアを忘れない
- 伝えたいことは、面白く伝える
- TPOは選ばないと、冗談言ってて怒られることもある
最後まで読んでいただきありがとうございました。