こんにちは! びるこです。
ブログ訪問ありがとうございます。
最近、嬉しいことがありました。
入院患者さんから
「私の主治医の先生から、この病院に知り合いの薬剤師さんが居るって聞いてるんです」
と言われ、誰だろう〜と紹介状を見てみたら確かに私の知っている名前が主治医の欄に書いてありました。
ただ、その先生と出会ったのは彼がまだ研修医の時だったので
「もう主治医か〜立派になって〜」
と親戚のおばちゃんばりに感慨深くなりました。
当時は指導医のもとで必死に毎日を過ごしていたのに、今は責任ある立場になっている事が嬉しくなりました。
「出会った頃は彼まだ研修医だったんですよ〜」
なんて話をしていたら患者さんの治療への緊張も少し解けたようで、雑談の大切さを改めて感じました。
入院が初めてで緊張してる患者さんもいるので、安心してリラックスしてもらえるような対話を心がけたいと日々思います。
余談が長くなりましたが、今日は「リテラシー」の話を書こうと思います。
リテラシー
リテラシーは読解記述力とも言われます。
適切に理解・解釈・分析し、改めて記述・表現する力ですが、最近このリテラシーの低下が危惧されていることが多いように思います。
- メディア・リテラシー
- ネット・リテラシー
- ヘルス・リテラシー
色々ありますが、コロナ禍でも多くの誤った情報が出回り翻弄されていた人が多く見受けられました。
2016年の記事で面白いものを見つけたのですが、当時も今も状況は何も変わっていないのだと感じました。
むしろ情報の溢れ方は酷くなっているのでは…
りんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)周産期センター産科医療センター長の荻田和秀先生の講演の記事で、擬似科学に惑わされないことをテーマとしています。
疑似科学に惑わされた患者をどう説得するか(2ページ目):日経メディカルmedical.nikkeibp.co.jp
荻田先生は「コウノドリ」の主人公「鴻鳥サクラ」のモデルとなった先生です。
引用:TBS
綾野剛が実在していたんですね〜
講演の中で、DHMOという物質について荻田先生が説明をしています。
DHMO
・染料の主成分に用いられ、洗浄剤や溶剤に使われている。
・常温では液体。無色透明無臭。
・加温すると爆発的に気化することがある。
・液体のDHMOを呼吸器に吸引すると死亡する。
・純度の高いDHMOは溶血作用があり、赤血球を破壊する。
・人体に蓄積される(特に妊娠後期の女性の皮下に蓄積)。
・マウスの妊娠初期にDHMOを大量に皮下注射すると胎仔の奇形の発症率・流産率が有意に高まることが示されている。
・危険性が高い物質にもかかわらず、厚労省もいまだに規制していない。
この物質の説明を読んで何を感じるかは人それぞれかと思いますが、何やらとんでもない怖い物質が身近に存在していて、国がそれを野放しにしている…ような印象を受けます。
「DHMO」は化学式di-hydrogen monoxideの略。一酸化二水素、つまり「水」のことなのです。
確かに全部水の性質を書いているだけですが、水も使い方次第で死のリスクを伴うというのは間違いではありません。
ただの水を、ここまで恐怖を煽るように書けるって凄いです。
しかし、水は危険だから絶対に避けなくてはならない物質なのかというと、そうではない事を私たちは知っています。
薬を含めた物質には、良い面と悪い面が必ず存在する事を理解したうえで正しく使う事が求められるため、悪い面のみを誇張している時点で怪しい書き方だという事が分かります。
控えめなくらいが丁度良い
稀にですが病院への問い合わせで、週刊誌で「絶対に飲んではいけない危険な薬!」が書いてあってそこに自分が飲んでいる薬が該当しているのだけど、本当に飲んでて大丈夫なんでしょうか? というものがあります。
問い合わせしてくれる患者さんはまだ良い方ですが、自己中断なんてことになると最悪です。
こちらの視点から見るとなんて事ない文言が書いてあるだけだったりしますが、DHMOの講演と同じで負の印象を煽るのは簡単です。
不安や思い込みが強い患者さんほどそのような記事に辿り着きやすいと感じます。
コロナワクチンが出た時も、様々なフェイクニュースや論文を捏造したものまで出回っていました。
自分で判断が出来ないことは、まずはかかりつけの先生や身近な医療従事者に相談してほしいと思います。
荻田先生があげる対策は以下の通りです。
- センセーショナルな学説に「うさん臭い」と感じる感覚を持つ
- データの持つ意義や背景をできるだけ理解する
- 統計処理が適切か注意を払う
- 陰謀論を唱える説はとりあえず眉唾物と思う
自己のリテラシーの低さが命を奪うことにも繋がりかねないので、刺激的で大袈裟な言葉は全て疑ってかかる気持ちを常に持っていなければいけないと思います。
とは言え難解な統計を全員が勉強するのは不可能ですし、全て疑ってかかると何も信じられなくなりますので、分からなくなった時は近所のおばちゃんに相談せずに医療機関へお問い合わせください。
大袈裟なものより、控えめなものの方が正しい事が多いのは何にでも当てはまりますね。
Ray-Banリテラシー
リテラシーの低さから詐欺に引っかかることもあると思いますが、私の夫もしっかり詐欺に引っかかった事があります。笑
数年前、Ray-Banのサングラスが90%OFF!
というなんとも怪しい広告がSNSで流れていた時期がありました。
当時サングラスを欲しがっていた事もあり、まんまと引っかかり購入してしまったのです。
夫は優しいので、私の分も選んで買ってくれたのでサングラス2つを注文済みでした。笑
いや〜やっぱりサングラスはRay-Banですよね、キムタクもRay-Banですし。
「RAY-BAN X TAKUYA KIMURA」メインヴィジュアル
購入手続きを終えて少し経ってから詐欺だということに気がつきクレジットカードは止めたので大きな被害はありませんでしたが、後日ちゃんと安っぽい偽物Ray-Banシール付きサングラスが2つ届きました。笑
サングラスが届かなくても詐欺は成立するのに、なんてマメな仕事ぶり…
安すぎるものは、だいたい怪しい。
後日本物のRay-Banをちゃんと買いましたが、高いだけあってやはりカッコいいです。
リテラシー、大事ですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。